間接的視線【密フェチSS】
Ⅱ
街をぶらぶらした後、私は亮を部屋に招いた。
「来週20歳の誕生日ね」
サイフォンで珈琲を作りつつ声をかける。
「はい。やっと」
「プレゼント何が欲しい?」
淹れた珈琲を屈んでガラステーブルに置くと、唐突に。
「美樹さんの目が欲しい」
肩が跳ねた。
「鏡とか窓とか、間接的には合うのに……俺のこと嫌いなの?」
「それは」と嘘を吐きかけ、やめた。
無駄。
いつかはバレる事だ。
「実は――」