曇り声


元々会うべき存在では
なかったんだ、本当は。


君は仕事でこっちに来て
私と出会いそして近くなった。


長くて半年という期限をわかっていながらも
その曇り声にときめいたんだ。


その声で逢いたくなり
その声で嬉しくもなり


君との愛情確認の行為ですら
君の声が聞きたくてたまらない。



本当に曇り声だね
私が笑った。
本当に曇り声かな
君が笑った。


愛してるよ
私が言った。
愛してるよ
君が言った。


離れたくない
私が言った。






だけど
君のその曇り声から
聞けなかったその答え。



寂しいよ
私が言った。
わかってる
君が言った。







行かないで



君の声が曇り声なら
私の今は雨声だね。


 
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