土曜日の午前十一時。

普通のカップルなら、
待ち合わせでもして、きゃっきゃっうふふと言いながらデートを始める時間だ。

なのに、
私は、三年付き合っているナツメの家で、仁王立ちで彼を睨んでいた。

「だからさあ、なんで、いつっも同じ事言わせるの?」

「ごめん」

「なんで、謝るの?」

「ごめん」

「いや、だから」

「ごめん」

「もう、いい」

「ごめん」

「あー、もう!! ごめんしか言えないのか!! あんたは!!」

「ごめん」

「もういい、黙って」

「ごめん」

「…日本語、通じてる?」

「ごめん」

「…頼むからさ、ごめん以外の言葉話してくれる?」

「分かった、何、話せばいい?」

「…そんな事、自分で考えたら?」

ナツメは、それから暫く、口を閉じて黙っていた。
こいつは、七個も歳が上のくせに、私に、いつも口で簡単にやり込められてしまう。

いい大学出て、いい会社に勤めてんだから、私みたいな、三流大学に通ってる学生より、よっぽど頭はいいはずなんだけど。

「シズク、お昼ご飯何食べたい?」

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密フェチ 

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