診察室
診察室



「整形外科外来にお入りください」


スピーカーを通して聞こえる先生の甘いバリトンに胸踊らせて診察室のドアを開けた。


「今日も最後だね」


先生の意地悪な笑みにドキドキしながら、


「はい…」


そう答えるのが精一杯な私。


午後外来の一番最後にかかるのは、仕事のせいばかりじゃない。


他の患者に気兼ねせずに先生と少しでも長くいたいから。



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