幸せになりたい
「部長…お聞きになりたいこととは何でしょうか?」

「今日の君の態度はいかがなものかと思いましてね…」

不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと私を見据える。


『どう意味でしょうか?』

「そうくるか?分かっているんだろう」

『何をですか?おっしゃっている意味が分かりまねますが…』

「では、はっきりと言おう。
 女なんて所詮あんなものだ。キャーキャーと…
 私の見た目だけを判断して騒ぎ立てる。」

『それが?』

「君が私との事を自分の男だとか言っていたら困ると思ってね。
 まあ…困るのは君だけど…」

『部長…はっきりと申し上げますが、
 私と部長の間に何かございましたか?
 私には覚えもございませんが…
 会社以外でお会いしたこともありませんし!!』

「おもしろい子だね、君は…
 まあ、それならそれで結構。こちらとしてはその方が楽だ。
 また、私に抱かれたいなら、あの店で待っているといい。
 気分が向いたら抱いてあげるから…」

『部長…あの店とは?何をおっしゃっているのか分かりかねますが…
 セクハラ発言は慎んだ方がよろしいかと思いますよ…
 では、失礼します』


私は、胸の中にふつふつとこみ上げてくるものを抑えた。

何が、抱かれたければ…だ。
抱かせてやったのはこっちだ。

私の頭の中はむかつくほど、あいつのことでいっぱいになっていた。


今日は飲まずにはいられない…
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