ましゅまろハート
ホントノキモチ
爽やかな水色の空に、

すうっと伸びるひこうき雲。


いつもとは違う空模様に、

俺は自分自身を重ねていた。


俺の美波さんへの想いが、

あいつ、秀一が

鋭利な刃物でばっさり

切り裂いたみたいだ。


でも、きっと秀一は

このひこうき雲のように、

俺の強い想いに

消えてなくなるはずだ。


そう思いながら、

俺は休講掲示板よりも先に、

購買部へと向かった。


今日は頼むから来ていてくれ!


心の中で強く祈りながら

ドアを開ける。


俺はそのまま真っ直ぐ

ずんずん歩き、

品出しをしている

美波さんの前で止まった。


「美波さん、おはよ」


俺はいつもの様に

明るく声を掛けた。



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