大切なもの
閉じ込めた想い
 
――翌日、親しい人を呼んでお祝いをする事になって、母さんや綾香は朝から忙しそうに準備をしてた。


俺はずっとそれを見てただけだったけど。


夕方になると、どんどん人が集まってきて日が沈む度にお家が賑やかになっていった。


「空也ぁ、留学お疲れさん!」

「あぁ、ありがと叔父さん」

「美人なねーちゃん引っ掛けたんだってなぁ~?」

「引っ掛けた、って。うんまぁ美人だよ」


酔っぱらってる叔父さん達はいつもより絡んでくる。


「綾香ちゃんもお姉さんになったなぁー」


「この家に来たときは…確か12歳くらいだったか。空也はそん時13か…」


そんな会話が耳に入ってくる。
もうあれから5年も経つのか――と最初に会った綾香を思い出して懐かしくなった。




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