HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
放課後、帰ろうとする田中を呼び止めた。それから有無を言わさず自転車置き場へ連行する。
「話ってなんだよ?」
田中は不満そうに口を尖らせて言った。
「俺は高橋さんの噂は信じないし、これからも高橋さんと仲良くするわ」
「は?」
怪訝な顔で田中は聞き返してくる。コイツにはもっとはっきり言わないとわからないだろうな、とその顔を見て思った。
「だから、俺は高橋さんと仲良くするから。友達以上になれるように」
「ま、待てよ、清水。お前、それって……す、す、す」
田中は壊れたCDのように「す」を繰り返す。
ため息をついてから、次の言葉を教えてやった。
「好きなんだよ、彼女のことが」
「…………!!」
言葉にならない声を上げて、田中は一歩後退りした。
「なんか文句ある?」
「な、ない。ないです」
俺は二歩前進し、田中の顔を覗きこんだ。
「勿論、協力するだろ? なんつっても俺とお前はダチだもんな」
「も、も、も、勿論!」
「つーことで、田中。あの高橋さんの噂は根も葉もないデタラメだから、他のヤツにもそう言えよ」
田中は急に俺の肩をガシッと掴んだ。そしてキリッとした目で俺の視線をとらえると力強く言った。
「任せておけ! 言っただろ? 俺はどんなことがあってもお前の味方だからな!」
――田中。お前、サイコー!
あまりにも単純すぎる親友に内心ではほくそ笑みながら、清々しい気持ちで親友と自転車を並べて走らせた。
男の友情もたまには役に立つな、と思いながら……。
「話ってなんだよ?」
田中は不満そうに口を尖らせて言った。
「俺は高橋さんの噂は信じないし、これからも高橋さんと仲良くするわ」
「は?」
怪訝な顔で田中は聞き返してくる。コイツにはもっとはっきり言わないとわからないだろうな、とその顔を見て思った。
「だから、俺は高橋さんと仲良くするから。友達以上になれるように」
「ま、待てよ、清水。お前、それって……す、す、す」
田中は壊れたCDのように「す」を繰り返す。
ため息をついてから、次の言葉を教えてやった。
「好きなんだよ、彼女のことが」
「…………!!」
言葉にならない声を上げて、田中は一歩後退りした。
「なんか文句ある?」
「な、ない。ないです」
俺は二歩前進し、田中の顔を覗きこんだ。
「勿論、協力するだろ? なんつっても俺とお前はダチだもんな」
「も、も、も、勿論!」
「つーことで、田中。あの高橋さんの噂は根も葉もないデタラメだから、他のヤツにもそう言えよ」
田中は急に俺の肩をガシッと掴んだ。そしてキリッとした目で俺の視線をとらえると力強く言った。
「任せておけ! 言っただろ? 俺はどんなことがあってもお前の味方だからな!」
――田中。お前、サイコー!
あまりにも単純すぎる親友に内心ではほくそ笑みながら、清々しい気持ちで親友と自転車を並べて走らせた。
男の友情もたまには役に立つな、と思いながら……。