HAPPY CLOVER 1-好きになる理由-
「だめだ、こりゃ……」

「何がだめだって?」

「うわぁ!」

 私のほかには誰もいないはずの部屋で、誰かが返事をした。びっくりして振り返るといつの間にか部屋のドアが開いていて、母が不思議そうに私を見ていた。

「舞ちゃん、顔が赤いけどもしかして熱がある?」

 さすが母。すぐに気がついた。

「そうみたい。頭痛いし身体だるいし……」

 母は私の額に手を当てて自分の額の温度と比べた。

「うん、これはあるわね。今日は学校、お休みしなさい」

 そう言ってすぐに部屋を出て行った。

 私は起きているのが辛いのでまたベッドに潜りこんだ。夜にほとんど眠れなかったせいか、今度は三秒もしないで夢の世界へと旅立つことができた。


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