威鶴の瞳
依頼結果
「なんでうなってるの?」
そうトーマに聞けば。
「お前がイイ声出しやがるから……くそっ」
いい声……なんて出した覚えはない。
たださっきちょっぴり、悲鳴混じりのような、高い声を出したことは認める。
……この、平均よりも少し低めの声のどこからあんな声が出て来たのかは不明。
今まで出したこともなかったその声は、なぜだか非常にトーマを苦しめたらしい。
――後にそれを『甘い声』だと知るのは、そう遠くはない未来だったりする。
23時、予定通りBOMBへ着き、レインに少し驚かれた。
「……トーマ、アンタなんか変なもの食べた?」
「いや、別に」
「明日は雪でも降るのかしら?」
「今夏だけどな」