威鶴の瞳
LOVE









「トーマ!」

「おぅ、依鶴」



車にもたれてあたしがマンションから出て来るのを待っていたトーマに、声をかけた。



「ん?何か今日気合入ってねぇか?」



ナチュラルメイクに、ネックレス、イヤリング、ネイル、ワンピースにタイツ。

全体的に白メインの清楚系で整われている今日の私。



少し恥ずかしい。



「優雨ちゃんが、第一印象は大切だからって。完全にあたしで遊びたかっただけだと思うけど」

「まぁ、キレイに越したことねぇけどな」



そう言ってトーマは近付いたあたしに、いつものように頭を撫でる。

それがあたしの、トーマに会う楽しみの一つだと、知っているんじゃないだろうか?



「なんか、お前見てるとレインに愛されてんなぁってジワジワ伝わってくるから複雑だよな」

「優雨ちゃんは少し、妹バカだと思う。今まで一緒に暮らせなかった分だーって、抱きついてきたり、毎日よ」
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