教組の花嫁
「職場の元同僚さ」
北河がほのかに答えた。
「星野さんは東京にいたのか。もしかして、記者?」
ほのかが北河に尋ねた。
「そうだよ」
「ありがとう。じゃ、またね」
ほのかは北河を、次の機会に誘惑するつもりでいた。
「あの女は記者だったのか」
席から立ち去ると、ほのかが小さく呟いた。
(畜生!)
(週間ウーマンの例の記事を書いたのは、あの女だったのか。あんな嘘くその記事で、私を地獄に突き落としたのは、あの女だったのか。くそっ・・・。この仕返しは、きっと、きっと、してやるから、覚えとき)
ほのかは小波に対して敵意の炎を、前以上に激しく激しく燃やしていた。