教組の花嫁
2話 母の恨み
 
 小波は道場で瞑想にふけっていた。




 わくわく命の泉わく。

 わくわく命の泉わく。

 わくわく命の泉わく。




 教祖から教えを受けたように、澄み切った泉の底から湧き上がって来る水に、小波は思いを集中させていた。


 全神経を湧き上がる水に集中させると、雑念は消えていた。



 (もっと思いを集中させよう。無の境地に入れるかも知れない)



 小波は、瞑想する事により得られる心の平安に心地良く心身を委ねていた。




 「星野さん」


 その時、上の方で自分の名を呼ぶ声がした。





 
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