教組の花嫁

 声の主は教団 最高幹部の千葉百合葉だった。


 「教祖様がお呼びよ。教祖室横の瞑想室まで行ってもらえる」

 「わかりました。すぐ、お伺いします」

 小波が返事を。


 「じゃ、お願いね」

 百合葉が念を押した。


 小波は急いで着替えを済ませると、住居棟のエレベータで3階に昇った。

 エレベータのドアが開いた。



 「あっ!」


 小波は予想外の光景を見て驚いた。



 廊下を教祖の道心が、掃除機で清掃をしていたのだ。


 「教祖様がお掃除を。そんな・・・わわたしがします」


 「いいんだよ。ここは毎日私が掃除をしているんだ。3階は私の受け持ち区域だから、邪魔はしないでくれ。この作業をするのが、精神修養に一番いいんだ」


 道心が威厳のある態度で呟いた。





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