終わりなき夢 世界の山々目指して
私の人生を変えた人たち

祖父

私が初めて登山をしたのは

高校一年生の時

ではなかった

3歳の時だ

南昌山に祖父と行ったのが人生初めての登山だった。

高校の時に南昌山に行ったとき、何故かデジャヴュのような感覚になり、頂上近くになったとき思い出した

他にも網張、八幡平、登った時に思い出した

ただただ疲れたという記憶しかない
頂上の景色の記憶もない
記憶にあるのは祖父が半端なく速かったことだ。
公園で鉄棒があればなぜか懸垂をしていた。

亡くなってから判明した

山日記、錆び付いたカラビナ、オーバーシューズ

道具を見れば分かった

ただの登山が趣味の人間ではない
本物のクライマーだったと

無口な祖父は家族の誰にも山の話をしたことはなかった

祖父の死後、かつてのザイル仲間の人が話してくれた

「スキーは半端なく上手い。写真とるのが好きだったな。ただ腎臓病持ちだったから近場しか行けなかったけど本当は遠くに行きたかったんじゃないかな」

祖父が登りたかった山はいくつもあったと思う

祖父の意志は私が継ぐ

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