レガートの扉
【0】


「ああ、全部俺のせいだな」


今でもふと思い出す、あの場面。

泣きながら別れを告げた、あの瞬間の身勝手な自分。

そして、最後の言葉は絶対に忘れられない。



「素直に喜んで上げられなくて、ほんとにごめん」

最後にそう告げて、部屋を出て行った彼の顔も然り。


3年も前の出来事が鮮やかに蘇るのは、一生吹っ切れないからだろう。



もしも再び、あの時と同じ分岐点に立ったとき。


今のわたしはもう1度、同じ答えを出すのだろうか…?


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