(我がクアルンでは当然の儀式――よくぞこんなデタラメを口にしたものだ)


クアルン国王――カリムは自分の台詞に、胸のうちで失笑した。

それを信じる彼女は、よく言えば素直、しかしこの場合、愚か過ぎる娘と言えよう。

花嫁の肌を他の男に見せる夫がどこにいる。それだけでも充分にこの娘をバスィールに叩き返す理由にはなる。

だが、その前に……。


(簡単に私の前で脱げるなら、すでに純潔ではあるまい。適当に罰を与えて、送り返してやればよかろう。王を謀りながら、命を奪わずにいてやるのだ。これでバスィールには貸しができる)


シュルシュルと腰紐の解ける音を聞きつつ、絨毯の上に音もなく落ちる花嫁衣装を見ていた。

白い下着一枚を残し、彼女は手を止める。


「私は裸になれと言ったはずだが」


カリムの抗議に娘は顔を上げた。


「肌が……これ以上脱げば、肌が見えてしまいます!」