柔らかな、それ。【密フェチ】


 肩がぶつかる衝撃。



「ごめんなさい!大丈夫ですか?」

ぶつかってきたのは、同僚である高瀬だった。


「―――ああ、大丈夫」

俺は資料を抱え直してそう告げる。

「でも神田さん、眼鏡ずれてますよ?」

すると彼女は、俺の眼鏡を直そうと手を伸ばしてきた。



「どうも」

とはいえ手を借りるほどではない。
俺は顔を傾け、肩口で眼鏡の位置を直した。


「あ……」

立ち去る直前そんな声が聞こえたが、俺は構わず仕事に戻った。



 
< 2 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop