19:00。

闇に沈む校舎の中、進路指導室のみ灯りがついている。

その中で、鈴菜は申請書類を尚哉とともに確認していた。


「白崎先生、すみません。遅くなってしまって……」

「いいんですよ。これも僕の仕事ですからね」


尚哉は言い、書類を確認しながら封筒に入れていく。

……その白く長い指先。

前にボーリング場に行った時、尚哉にボールの持ち方を教えてもらったことを思い出し、鈴菜は目を伏せた。

いつでも、どんな時でも……

尚哉は優しく穏やかな目で鈴菜を見守ってくれた。

あの体育祭の時のことが幻のように思えてしまう。


「郵便局は……この時間だと、本局に持って行った方が良さそうですね」

「はい……」

「では駅前の本局に寄ってから、帰りましょうか?」


尚哉の言葉に鈴菜は目を見開いた。

……それは一緒に帰るということだろうか?

立ち尽くす鈴菜の前で、尚哉は封筒を手に椅子から立ち上がる。


「さ、行きますよ、森下さん」

「は、はい……」


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