四六時中ジンが側にいる、気の休まらない日々が始まった。

 さすがに着替えや入浴中は側にいない。
 その他、家庭教師がいる時も席を外しているが、それ以外はずっと近くにいる。
 本当に気が休まらない。

 夜になり寝室でひとりになった時、クルミはようやく安らげた。

 そのため最近は、今までより早く寝室に入る。
 今日も部屋の外でジンに挨拶をして、そそくさと寝室に逃げ込んだ。

 寝間着に着替えた後、ベッドの側にある小さな灯りで、本を読んだり手芸で小物を作ったり、ひとりだけの時間を楽しむ。

 今までひとりきりでいるのは少し寂しく思っていたが、気の休まらない人がずっと側にいるよりはずっと楽しいと思えた。

 存分にひとりきりの時間を満喫し時計を見ると、いつもの就寝時間を越えていた。
 慌てて灯りを消し横になろうとした瞬間、ギクリとしてクルミは動きを止めた。

 灯りの消えた寝室の窓は、カーテン越しに外の月明かりで白く浮き上がって見える。
 その中央に、人の頭のような影が見えていた。

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