お互いに緊張していたのか、買ってきたお弁当を無言で早々と食べ終えた。

食後にコーヒーを淹れてもらい、それを飲みつつどう話そうか頭の中でシュミレーションをしていると、倉井さんが咳払いし


「あの、いきなりなんですけど会社に来ていた人、あれは誰ですか?」


ズバッと聞いてきた。
倉井さんは気になることはちゃんと正面切って聞く、真っ直ぐな人なんだなと感心してしまった。


「最初は梓さんの友達かなとか思っていたんですけど、急に梓さんがあの人に……」

言いにくそうに言葉を濁す。


一部始終とは言わないけど、倉井さんにほとんど見られたんだ。

ふう、と一呼吸し心を落ち着かせて喋り出した。


「あの人は、足立健で私の元カレです。近ち……、近藤悠斗ってさっきまで一緒にいた人、彼は私の同期なんですけど、その近藤さんの紹介で付き合うようになったんです」

「そうだったんですか……」

「これから話すことはあまり気分のいい話じゃないと思いますけど、聞いてもらってもいいですか」

「はい、梓さんのことは何でも知っておきたいので」


全部話してください、と。