「ニッポンにアメリカ? どっちも聞いた事ないな」
「私だってクランベールなんて聞いた事ないわよ。どこにあるの? 地図見せて」
「やれやれ」


 わざとらしく大きなため息をついてロイドは立ち上がった。
 それを見上げて結衣は思わず目を見張る。


(この人、大きい……!)


 背の高い結衣が大きいと思える男はあまりいないので、たまに見かけると驚いてしまうのだ。

 ロイドはガラスの筒を出てすぐ側にある机の引き出しを探ると、地図を持って引き返してきた。

 再び結衣の前に片ひざを付いてしゃがむと、広げた地図を結衣の目の前に突きつけた。


「真ん中の一番大きい大陸がまるごとクランベールだ。で? ニッポンはどこだ?」


 見た事もない文字と見た事もない形状の大陸が並ぶ地図を凝視したまま、結衣はロイドに問いかけた。


「これ、世界地図?」
「あぁ。世界地図も見た事ないのか?」


 呆れたように嘆息するロイドに、結衣は叫ぶように反論する。


「だって! 私の知ってる世界地図と違うんだもの!」
「はぁ?」


 キョトンとするロイドに結衣は手の平を広げて差し出した。


「書くものちょうだい」

この作品のキーワード
異世界  トリップ  俺様  白衣  眼鏡  ラブコメ  OL  ドキドキ 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。