消えぬ想い
.。o○ two time ○o。.

chapter10 別れと想い

-結衣Side-

「だから、①が、x-4y=9で②がx-3y=5の時は、xかyに数字をかけて、xかyを消すの。ここまでわかった?」

「なんで、xかyに数字かけて、計算するんですか?」

「消去法。習ったろ?つうか教えたろ?授業で。ったく部活でリズムも分かんないくせに、数学もわかんないって・・・。」

「いや、でも連立は得意ですよ。消去法がわかんないだけなんです。バカとかじゃないんですから。」

「あのなぁ・・・。まぁ、話してる分無駄だから、次に進む」

「それで、それぞれxを2倍して、係数を揃えるんですね?で、2x-8y=18-2x-6y=10で、2y=8でy=4でいいんですか?」

「やればできんじゃん。簡単だろ?」

「理解すれば簡単です。でもそう簡単には理解できない脳なので。」

「じゃぁその吸収力の速さは何なんだ?怪物か?」

「それは、先生の時代と違って、ゆとり教育が終わったからですよ。ホント疲れます」

「あぁ。そうだな。で、答えは?」

「えっとーy=4を①に代入して、x-4×4=9,x-16=9,x=9+16,x=25。これでいいんですか?」

「いいけど、もうちょっとかな」

「あ。(x,y)=(25,4)ですか!?」

「おぉ。やっとできたな。やればできんじゃんか」

「さっきも聞きました。」

「じゃぁ・・・。気をつけて帰れよ」

「あ。先生。やっぱり、先生と付き合いたい。先生じゃないと嫌だ。」

「神原。それは、ダメだ。先生と生徒だぞ?立場を考えろ。わかったか?」

「・・・・・はぃ」

「じゃぁ・・・明日」

「はい。さようなら。失礼しました」




もうだめだ。

戻れないんだね。

ほんの少しの幸せな1日に・・・。
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