もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚

夢の力

「これって……、夢?」


なだらかな上りが続く砂利道を、優衣(ゆい)は歩いていた。


まわりに広がる草はらや、あちこちに見える質素な木造の家は、全て色を失っている。


「ここは……、どこ?」


明らかに現実とは違う色のない景色に困惑する優衣。


ジャリッジャリッと小石を踏み締め、1歩1歩進んでいく……。


やがて、平坦になった道の外れに立派な門扉が見えてきた。


「完全に開いてるけど……、入ってもいいのかな?」


辺りを気にしながら近付いていき、


堂々と開かれた門の、丈夫そうな木枠を潜り抜ける。


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