妖狐の姫君
消滅



海の波音が哀愁を漂わせる。



香る塩の匂い。



肌付く塩の感じに1人柵に手をかけて遠くをぼんやりと眺めていた。



「消えてなくなりたい」




そう思うのは今まで過去を振り返って見れば2度や3度思ったことか。



私、鈴川凜は昨日彼の部屋に行き偶然部屋で彼と女の子がイチャイチャしているのを目撃してしまった。




しかも偶然彼と目が合い、そして偶然とも言うにはうまくいきすぎたようにその女の子は私の友達で。




何の運命か知らないけど、問い詰めたら友達が逆ギレして2年前から恋人だったって言うし。



思い返せば友達は二年前から付き合ってる彼がいると言っていた。



ちなみに彼と知り合って私と付き合ったのは1ヶ月前だった。



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