風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~

Act2.

「遅い!!お前は私をいつまで待たせるつもりだ!!」

リビングの扉を開けた瞬間、まず一声目に怒鳴り声が飛んできた。


勘弁してくれ。

よりによって、今日来るなよ・・・。

俺は昼間の会食で取った自分の行動を早くも後悔していた。


「あなたが連絡も無しに来るからでしょう?」

俺は嫌味たっぷりに正面にいる相手に言葉をぶつける。

「そんなことをしたら、お前は帰って来なかっただろう?」

まあ、それも一理あるな・・・。

「一体どうしたんですか?今日昼に話したばかりでしょう。」

まあ、理由は大体察しが付くが。

「お前が最後まで話を聞かずに席を立ったからだろう。
言っておくが、私だってそんなに暇ではない。」

やはりそうか。

本当に勘弁してくれ、あの話をまた今からしようってのか?

「祖父さん、俺ははっきりお断りしましたよね?」

「お前の答えなど端から求めておらん。
今私はお前の祖父ではなく、安曇グループの会長として話しているのだからな。」

目の前にいる祖父は、そうはっきりと告げた。


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