プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
 美羽は以前に、子供が出来たら変わると言っていた。それは本当だろうか。

 安心する材料は、同棲でも結婚でも子供でもないんだろう。
 きっと、愛すれば愛するほど、愛ある限り……ずっと不安定に揺れる。
 だからこそ、この細い指すら、いとしく、大切にしたいと思うんだろう。


 この気持ちは、ずっと、一生だ――。


「明日の朝になったら、キスしてくれる?」
「……うん、考えておくよ」

 互いにいじわるをぶつけあって、そのままゆっくりと眠りに落ちていく。
 やわらかな羽に包まれるような気持ちで。
 君と二人で眠るときが、一番の幸せかもしれない。



 ――翌朝の目覚めは、厄介な居候にめちゃくちゃにされたわけだけど。




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