天使の舞―前編―【完】

  王子恋に堕ちる

乃莉子の勤務先であるブックメルヘン。


従業員三人と店長で、アットホームな雰囲気の落ち着いた本屋だ。


本が大好きで、沢山の色々な本達に囲まれて働ける事は、乃莉子にとって幸せな仕事であった。


紙とはいえ本は重く、陳列も結構な力仕事だったりする。


予約の品を配達するのに、外回りもあったりと中々に日々忙しい。


純粋に本の事だけを、考えてはいられないのだ。


本が好きなだけではなく、本屋の仕事が好きでないと、辛いかもしれない。


でも暇をみては、オススメの作品にポップを飾ったり、自分の気に入った作品が、お客様の手に取ってもらえるように工夫したりするのが、何よりの乃莉子の楽しみだった。


時に、ぽっちゃり店長宮田のラブ攻撃を避けながら、乃莉子は充実した日々を過ごしていた。



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