天使の舞―前編―【完】
その美青年が、口を開く。


「さてと、説明してやるよ。」


悠はわざとらしく、コホンと咳払いをして見せた。


「う…うん…。」


どんな内容が語られるのか、乃莉子は神妙な面持ちで、悠を見つめる。


「俺が、ここ…人間界へ来た目的は…。
天界の王子であるこの俺の、妃探しだ。」


「きさき…って…。」


「ヨメだよ!ヨメ!
ヨメ探しに来たんだよ!」


「妃がヨメって事くらい、私にだって分かるわよ。
失礼ね!」

やっぱりこの人、俺様じゃない!


乃莉子は、頬を膨らませた。

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