ラッキービーンズ【番外編】

秘密の共有

その様子に疑問を感じて口を開いた。


「八木原くん……。もしかして気づいてたの?」

「何がー?」

「……」

「あ、ウソごめん。うん、なんとなくそうかなーって」

「……そう」

「試すようなことしちゃってごめんね?」


八木原くんがちょっぴりすまなさそうに謝ってくれたから、私は黙って首をぶんぶん振った。


秘密にしたいと言いながら、態度に出ちゃってるのは間違いなく私だ。

だから周りにバレてるのだって自業自得だと思う。


それにしても、八木原くんにバレちゃったか……。


ガックリと肩を落とす。

八木原くんが皆に広めるとは思わないけれど、うっかり口にしちゃうことは十分に考えられる。


それにリアちゃんにも。

八木原くん伝いに耳に入るよりはやっぱり自分の口から伝えたい。


覚悟決めなきゃいけない。


「メイちゃん! 落ち込まないで! そうだ、コンビニ行こう! お兄さんがアイス買ってあげる!」

「え」


酔っ払いテンションの八木原くんはまだ洗い物の終わっていない私を、強引に玄関へと引っ張った。
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