月夜の翡翠と貴方
そしてゆっくりと、言葉を紡ぐ。
「お二人ともご存知のように、スジュナは私の子ではありません。………妻の子でも、ありません」
「…妻、というと、スジュナちゃんが持ってた写真の……」
ルトの言葉に、ラサバは切なげに笑った。
「……はい。妻は、スジュナを引き取る少し前に、病で亡くなりました」
だから、スジュナは母親と会ったことがないと言ったのか。
「じゃあ、なんでスジュナちゃんは、劇団の人達を知らないんだ?」