頬へのキスや、

首筋へのキス。


容易く握る手も、

触れる碧色も。


決定的な何かは残さない。


唇を重ねないのは、


頬を紅く染めるようになった翡翠葛のためなのか、


…はたまた、自分のためなのか。






「ルト、お酒飲んじゃ駄目だよ」


今、まさに酒の入ったカップに口つけようとしているルトに、そう言った。

「あ?…あー…」

思い出したように、ルトがテーブルにカップを置く。


リロザからの依頼による遠出から、街に帰ってきた夜。

疲れているだろうに、休むことなくミラゼは酒場を開け、ルトとリロザも集まった友人達と談笑を楽しんでいる。

私とルトは、明日の朝この街を出発する予定だ。


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