話を終えたあとの部屋のなかは、しんと静まり返っていた。

ルトは、なにも言わずに話を聞いてくれていた。



「……捨てられたの。私。親に」


ちらりと隣のルトの横顔を見るが、彼はなにも言わない。

「…皮肉だよね…マリア、なんて名前つけて、売っちゃうなんて」

はは、と乾いた笑みが出る。

「…………………」

それでも彼は、なにも言わない。

....ごめんね、ルト。

なにを言ったらいいか、わからないよね。

そもそも、こんな生い立ちを話されて、困るのはルトのほうだ。

私だって、どうしてルトに話しているのか、今になって冷静に考えている。

けれど、話さなければいけないと思った。

怪我させてしまったから?

巻き込んでしまったから?

どれも違う気がした。

それはすべて口実で、本音はただ、ルトに聞いて欲しかったんじゃないのか。

自分に問いかけて、けれど答えは出したくない。


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