淫靡な蒼い月
兄妹
今宵、禁忌を犯そう。
今、踏み出した階段。
一段上がる毎に、僕らは“普通”を手放すのだ。
偽りの“普通”
ずっと、愛してきた。
しかし、その気持ちは胸の奥で、琥珀にずっと閉じ込めていた。
外は嵐。
狂気な風が、僕の中の琥珀を砕いた。
決意の、白装束。
階段の頂上で、君はやはり、同じ白装束で、僕を待っているはず。
待ってて。
今、その、柔肌へ……。
今宵、禁忌を犯そう。
決して、離しはしない。
同じ腹より出でた、我が愛する、妹よ。