クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜

ラフルール(3)

 結衣が答えると、ロイドは軽くため息をついた。


「だよな。まだ昼には早い。思ったより早く済んだんだな。しかも着替えてるし。それじゃ今までの格好と大差ないじゃないか」


 結衣の姿を見て不満を漏らすロイドに、ムッとして反論する。


「だって動きにくいんだもの。街を案内してくれるんでしょ?」
「そうだが、おまえ背が高いから、丈の長いドレスが似合ってたのに」


 背が高い事を褒められたのは初めてで、ちょっと嬉しくなった。


「そ、そう?」
「あぁ。第一、そんな服は脱がせにくい」


 うきうきしたのも束の間、褒められたのを喜んだのが、途端にバカバカしくなった。


「……脱がせる事を基準にしないで」

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