イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*

1.後悔

(過去に行ける、だって――?)


自転車を機械的にこぎながら、パニクった頭が少しずつ落ち着いてくると。

ウソみたいな、バカみたいな出来事が、だんだん現実として認識されてくる。


(ウソみたいだけど、これは本当に起きたことだよね……?)


これは、現実――?


だとすると……




すると。

あたしの頭の中に、じわじわと頭をもたげてきた。

――ある思いが。


いくら考えないようにしようとしても、それは頭から離れようとしなかった。



――昔の、重い重い後悔。


何度も何度も泣いて、悔やんでも悔やみきれなかったこと。
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