六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
弟と親友


次の日からあたし達は、

午前中に宿題をして午後に霊力アップの修行をする事になった。


留衣さんは初めから、

この夏休みを強化合宿にするつもりだったらしい。


太一はひたすらブツブツ真言を唱えていたし、

清良は木刀で素振りをしたり、

留衣さんと手合わせをしたりしていた。


瑛さんは隠れてコソコソ秘密の特訓をしているみたい。


あたしはアキちゃんに霊力を送る練習をしていた。


夕方になると、全員がヘトヘトになっていて。


太一と清良はお風呂に入ると、

クーラーの効いた部屋で、すぐに寝てしまった。


「もう……」


二人にタオルケットをかけて、広すぎる部屋を見渡す。


「ちょっと行ってくるね……」


静かにふすまを閉め、あたしは台所に向かう。


いくらなんでも、タダで何も手伝わずに置いてもらうのは気が引ける。


料理だけは得意だし、手伝わせてもらおう。


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