あのこになりたい
あなたとの出会い
高校はできるだけ遠くに通いたかったという理由もあり、私は電車で1時間かかるこのあたりではかなりレベルの高い私立高校に進んだ。


親はもちろん大喜びだった。


私はひたすら受験勉強に励んだ。遠くに行けば家族と離れていられる…そんな思いで。



「お〜岡田。おはよ」


地元の公立高校の制服を着た幸輔に会った。


「あ、幸輔」


私の制服を見て、


「あ、岡田S高だからこんな早いんだ」


と言った。


「うん…幸輔はなんでこんな早いの?」


あまりに早い登校を不思議に思って聞いた。


「朝練」


眠そうに幸輔は答えた。


「じゃあな」


幸輔はあくびをしながら歩いて行った。


幸輔に会えた…


私はすごく嬉しかった。


中学の時からひそかに気になってた幸輔。


家が近いし、高校が別でもたまに会えるし。


そんな考えで私は中学を卒業するからと急いで告白することもなかった。


このことは綾には話してない。

私の中だけで起きてることだ。



綾は私が違う高校に行くと知ってとても寂しがった。

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