君と恋に堕ちた事について
実際、下山麻実は仕事を覚えるのが早かった。


こうした方が効率が上がるのでは?と先輩の近藤に意見していた。


麻実は仕事を覚える為に毎日のように残業していた。


ある日、営業部フロアにオレと2人きりになった。


異動して来て以来、会話していない。


「どうだ?仕事は慣れたか?」

パソコンに向かっている彼女の隣に立った。

「いいえ。慣れません。」

彼女は、そう答えオレを見上げた。


「仕事は覚えました。でも、慣れません。」


オレが首を傾げると

「慣れるっていうと、仕事が簡単になった。っていう意味になるかなと思ったので。すみません。」

「いや、謝る必要はないよ。全くその通りだ。」

確かに、彼女の言動は「ひねくれ者」と言われてしまうだろう。


しかしオレは、彼女はなんて真っ直ぐな人間なんだろうと関心した。


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