なんでも屋 神…最終幕
第一章
頭皮からじんわりと汗が滲み出し、吸い込んだら胃もたれしそうな程、気怠い空気が身体を包み込む。



じりじりと容赦なく肌を焦がしていく太陽に、地球人からの悲鳴は届かないらしい。



尤もそれは、冷房の効いた国会で、居眠りこいている議員にも同じ事が言える。



国民の声は何処にも届かない…暑苦しい外気に晒されていると、そんなつまらない事も考え出してしまう。



夏休みに突入した学生達は、各自思い思いの色に頭髪を染め、それぞれ一度しか訪れない今年の夏に、精一杯自己主張しているようだ。



徐々に増え出す蚊と、夜になると遠くから聞こえてくる、バイクから吐き出される雄叫びに、溶けだしそうなアスファルトの臭い。



現代版夏の風物詩。
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