☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

夏休みは終わり、二学期が始まった。


九月になっても、まだ残暑がつづいている。


高校の外の林では、ツクツクボウシが鳴いている。




そして今年もあの日が近づいてくる――。


夜になりベッドに入るものの、去年のように恐ろしい手術台の夢を見るのではないかと思うと、眠るのが怖い・・・。


目を大きく見開いたまま、一睡もできない日もあった。


寝不足で、頭が痛い。


お母さんは心配して、睡眠薬を買ってきてくれたこともあった。


しかし夢を見ること自体の恐怖心から、結局睡眠薬は飲まなかった。



剛は懸命にわたしを支えてくれた。


剛の胸に顔をうずめると、安心感からか、不思議と眠ることができた。


ときにはそのまま、剛の腕の中で、何時間も眠ってしまうこともあった。



剛は、わたしの心の中に渦巻いているものを、抱え込まずに、すべて口に出してしまうようにわたしに言った。



美幸を失った深い悲しみ、


身をつんざくような苦しみ、


辛い想い、


今も消えることのない罪悪感、


強い喪失感、


後悔の念・・・。



それらのものを、剛はすべて受け止めてくれた。


そしてわたしが涙を流すたびに、涙を拭いて、抱きしめてくれた。


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