Together~キミと一緒に~
3投目

学校での噂


次の日からは、放課後にだけ部活に顔を出した。

と言っても、女マネは放課後だけって覚えたからであって、これがどうやら普通らしい。


「ちわっ」

「こんにちわ」


部員の人も時々こうやって挨拶をしてくれる。

こんな些細なことがとてつもなく嬉しい。


部活をやってるからこその嬉しさなんだろうな。


そして、あの日以来裕樹と帰ることが多くなった。


「今日も一緒に帰ろうな」

「大丈夫、今日は一人で帰るから。」

「いや、送る。」


疲れてるだろうと思って言ってるのに、全然聞いてくれない。

だから、最初のころはこんな感じの言い争いをしてたけど、今は全然。


むしろ、お互いが何も言わなくても二人で帰ってる状態。

帰ってる間は、今日のスコアのことだとか、明日の練習はどんなものだとかっていうことは話す。


でも、それ以外のことは全く話さない。

なんだか、話しづらくって。


仁のことが頭によぎるときも、口には出さずに頭の中で整理をつける。

結局は家に帰って悩む日々だけど。


どうして、裕樹があんなことを言ったのか。

だって、仁はいい人だよ?

優しくて、かっこよくて、多分誰からも慕ってもらえそうな人なのに。

『神野先輩はやめておけ』っていう言葉がどうしても引っかかる。


タイミングを逃してしまったわけで、なかなか聞きづらい。

そのうちまた、仁の話題になった時にでも聞いてみよう。



そして、それはある日、事件が起きた。

まさか、そんな噂が出てるなんて私は知るよしもなかった。



朝、いつも通り学校へ行くと女子たちの話声が聞こえた。

それは、何かの噂話のよう。


盗み聞きがしたかったわけじゃないけど、でも少し気になって立ち止まって聞いてみた。

その話は、他人ごとではなかった。


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