元恋人の甘い痛み【完】
一、複数の男性



「じゃあ、また連絡する」



そう言って一人の立ち竦む男性を背に振り返りもせずマンションのロビーへと入って行く。


“また連絡する”


正式な日取りを口にせず、いつ連絡するのか分からない口振りでいるのは次また会うのかどうか迷っている証。


茶髪でストレートの髪は腰上まであり、透き通った様な白い肌に二重のどんぐり眼。白い清楚な膝上丈ワンピースに身を包まれた、誰もが振り返って見る程の美女が一人小さく溜め息を漏らした。
< 1 / 709 >

この作品をシェア

pagetop