こんなに好きなのに



奇跡が起こった
いや、運命かな?


今、俺キモいぐらいに舞い上がってる。



あの人がいた、あの夜に一緒に泣いた……




「あっ!少年?!久しぶりだね!元気してた?」


「あ……はい、そっちは元気そうですね…」


「えへへ、お陰さまで元気でーす!!」


「なんでここにいるんですか?」



そう、ここはあの時一緒に泣いた場所
ビルが立ち並ぶあの場所



「…やっぱりね……彼が忘れられなくてさ……」



マジでこの人おかしい…



「………なーんて、言うと思った?」


「はっ?……え?」


「あははは、少年の反応いちいち可愛いね……」


「いやいや…それが嘘になるなら、なんでここにいるかがまた分からなくなるんすけど………」


「少年…わざと気づかないフリしてるの?」


「……」


「気づいてるんでしょ?」


「……」


「私……アナタに会いたかったから、待ってたの…」



彼女は視線を落として
はにかんだ顔でもう一度目を合わせる。



「……俺もです…」




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