日差しが眩しい快晴の朝。

厩舎で馬の準備を待って居たアレスの下にエレナは息を切らして駆け寄った。

「アレス様、おはようございます」

「……走って来たのか?」

アレスは、いつもと違い額に汗を浮べるエレナの様子を見て言った。

「はい。今日は寝坊してしまって」

昨夜は恐ろしい夢を見てばかりで何度も目が覚めてしまった。

朝方漸く眠りに付いたけれど、おかげでいつもと同じ時間に起きる事が出来なかった。

「起きられないなら来るな。毎朝無理に馬を駆る必要は無いだろう」

「いえ。アレス様とお話できる唯一の時間ですから何が有っても来ます。それに私、馬を駆るのが大好きですから」

にこりと笑って言うと、アレスは呆れたのか目を反らしそれ以上何も言わなかった。

相変わらず素っ気無いアレス。

(でもこうやって話せるだけでも幸せ)

アレスと数人のアレスの側近と共に、風を切って草原を駆ける。

青い空。爽やかな風。

悪夢でだるかった身体が軽くなる。

(気持ちがいい)

アレスの背中を追って駆けていると、嫌な事は全て忘れられそうだった。

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