雨のち曇り



私はその場に座り込んで泣いた。


もうすぐでSHR始まるのに…。



こんな顔で戻れないよ。



「愛?」



誰かの声が聞こえて、顔を上げてみると幸樹だった。



「ごめん。泣くなよ」



そう言って頭を撫でてくる。


どうして戻って来たの?

もういい加減にしてよ!


これ以上、私を傷つけないで。


心はもうボロボロなのに…。



「やっぱり別れないよ」



…え?どうゆうこと?


別れない?

別れようって言ったのは幸樹じゃん!


でも、私は幸樹が好きだから嬉しかった。


別れなくてもいいんだって思った。



「愛、ごめん」



そう言って抱き締めてくれた。


嬉しかった。


…私はバカだ。


すごく単純。


どんだけ幸樹が必要なのか思い知らされた。







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