†すべてはこの夜に
 
手の甲にシミと皺が目立つ時田の手が伸びてきて、私の後頭部に添えられた。


それをきっかけに、私は時田のバスローブの前をそっと開く。


下着はつけられていない。



私はうなだれたままの時田の中心に顔を寄せると、躊躇うことなく口に含んだ。

手で捧げるように持ち上げ、舌で丁寧に輪郭をなぞり、先端を軽く吸い上げる。


何度も繰り返す刺激にも、ソコが反応することはなかった。





---四年前、

凶器となって私の体を引き裂いた猛々しさが嘘のようだ。




時田のソレ、は持病の糖尿病が悪化した二年程前から男性としての機能はほぼなくなっていた。


たとえ持病がなくても、もう還暦を過ぎているのだから衰えていても不思議ではないけれど---
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