あの空の音を、君に。

ライバル




今日は、雲が少しだけある快晴だった。



「ちょーきれいじゃん」


隣に座る伊月がケータイを空に向け、数秒たってからカシャッと音がした。



「ほら、ちょーきれいじゃない?」



撮りたての写メを私に突き出す伊月。

画面いっぱいの青に、程よい多さの雲がうつっていた。



「きれいっ!」

「だろ?」



得意げに笑う伊月は、太陽以上にまぶしかった。


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