あの空の音を、君に。

親友




四限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。


号令を終えた教室が、一瞬にしてざわめく。



「すーずっ」



筆箱にシャーペンをしまおうとしていた私の前から、なじみのある声が降り注いできた。



「今日も屋上いかないの?」

「うん」



私が一時期昼休みになると屋上へ行っていたのを知っている里麻は、ここ最近、私が屋上へ行かないことを不思議に思っている。



「岡村伊月となんかあったの?」



里麻は、私と一緒に屋上に伊月がいたことも知っている。



「――ううん。何にも」



少し遅れて返事をした私に、特に疑問を持たなかった里麻。


もしかしたら、鋭い感で何かあったことを感じ取り、あえて何もきいてこないのかもしれない。


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