溺愛MOON
誰かに届きますように
その夜は爆睡してたせいかネズミの物音は気にならなかった。


ネズミって何食べるんだっけ……。


かぐやが言うならエサをあげてみようかなと私は考え始めていた。


人間界に堕とされたかぐや姫は結局、誰の求婚も受け入れずに月へ帰って行った。

だったらかぐやは……、やっぱりかぐやは誰も心に受け入れることはなく帰ってしまうのかもしれない。


軟禁か……。


彼は異国の要人で誰かに命とか狙われちゃってるのかもしれない。

……いや、どう見ても日本人か。


じゃあお金持ちの跡取りで相続争いに巻き込まれてるのかもしれない。


……かぐやを助けてあげたい。


私はそんなことを言っていられる立場じゃないし、かぐやは私にそんなこと求めてはいないけれど、勝手にそんな風に思い始めていた。
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